ゴールデンウィークの真ん中、初めて川苔山に登った。
川苔山は奥多摩にある1368mの山で初級ハイキングにちょうど良い。私がこれまで行かなかったのは、この山が奥多摩の山地の中で1つ独立していたことと、面白そうなルートがなかったためである。
そんな山に今回出かけたのは、「真名井北稜」とやらがあると聞いたからだ。
真名井北稜。
何というかすごいルートに聞こえる。ルート名としては前穂高岳北尾根とか、剱岳北方稜線という表現はあるものの、北稜とか南稜という名が付く阿弥陀岳くらいしか知らない。
名の知れぬビッグルートかもしれないと出かけてみた。
車道を北上し、一般道から真名井林道に入ってすぐ。東京電力の整備道が北稜入口となる。整備道なのでとても歩きやすい。
とてもバリエーションとも言えない歩きやすい道が続き、鉄塔の下を3回ほどくぐる。新緑が気持ちいい。
一応『山と高原地図』にもない道ではあるのだが、結構踏まれている。
道標はリボンくらいしかないのだが、基本は稜線の高いところを歩けばいい。坂はほとんど登りっぱなしなので、巻くことはないと考えていいだろう。
少々登りにくい急坂は出てくるものの、危険なところはない。「稜」と付くわりに細い稜線は1ヶ所くらいだった。
それでも静かな山登りができたのはよかった。
最後の坂を上ると赤杭尾根の側面に出てきた。一般登山道に入ると川苔山はすぐそこだ。
真名井北稜。北稜と付くのは阿弥陀岳北稜以来だけど、全くスリルを感じるでもなく静かな山歩きができた。
時にはこういうのんびりした歩き登山もいいなと感じる今日この頃である。