星野道夫展を見に東京都立写真館に行ってきた。
都立写真館は岩合光昭展以来で、なんだか動物写真ばかり見に行っている気がする。
星野道夫展は10年くらい前に横浜そごうで見て以来。没後もこれだけ写真展の開かれる写真家は少ないかもしれない。
先日見た岩合光昭の写真は動物の躍動感に満ち溢れていた。ある種、静止画から動きが見えるような「動画的写真」と言ってもいいかもしれない。
星野道夫の写真はそれとは異なる。大自然をパノラマにした1個、あるいは複数の動物を撮っている。自然の中の1個の存在としての生命にスポットを当てているのだ。
それはカリブーやホッキョクグマであろうと、人であろうと変わらない。写真展は5部構成となっており、野生動物とともに現地の人を写している。
星野道夫の写真は動画的というより絵画的と言えるだろう。それは美しく紡がれた文章とともに鑑賞するとより深く感じる。ただ美しいという以上に、孤独や温かみや取り巻く自然の偉大さを感じる。
最後に写真展にあった言葉を少し引用。
人間には、二つの大切な自然がある。 日々の暮らしの中でかかわる身近な自然、それは何でもない川や小さな森であったり、風がなでてゆく路傍の草の輝きかもしれない。 そしてもう一つは、訪れることのない遠い自然である。 ただそこに在るという意識を持てるだけで、私たちに想像力という豊かさを与えてくれる。
こんな文章を書けたらな。
今回は珍しく図録を買ってしまった。