高知にマラソン大会のため向かった。
かつては「わざわざ飛行機乗ってマラソンなんかしに行くかねぇ。アホでないか」などと心中感じていたことを深くお詫びいたします。
それにしても高知は空港から定食、マラソン大会の名称まで龍馬だらけ。昼食に食べた四万十地鶏には「龍馬が愛した」とあった。ほんまかいな。
坂本龍馬は歴史的に謎が多い人物だ。謎というか何をしたのかわからない。
そこに小説としての可能性を見出したのが司馬遼太郎。『竜馬がゆく』で坂本龍馬を躍動的に描き。見事に歴史の隙間を埋めた。
したがって、坂本龍馬の活躍の大半は司馬遼太郎によるフィクションなので、最近では教科書にも載せなくなった。
ただ、高知駅前には坂本龍馬先生像が武市瑞山、中岡慎太郎とともに雲を突くかのように立っていて、高知県民がこの措置に反発していることを示している(ように思える)。未だに龍馬先生は高知では偉大なのだ。
司馬遼太郎が描いたように、高知は複雑な色合いを持つ地域だ。
地元の有名人と言えば、戦国時代に長宗我部元親、山内一豊。幕末には、山内容堂、吉田東洋、坂本龍馬、武市瑞山、中岡慎太郎、岩崎弥太郎、板垣退助、後藤象二郎。明治以降では牧野富三郎、浜口雄幸。
幕末以降の坂本龍馬をはじめ、中岡慎太郎などは郷士と呼ばれる長宗我部武士で、板垣退助や後藤象二郎は山内武士。
地元勢力が二分してしまったせいか、高知出身の総理大臣は浜口雄幸が最初なんだそうだ。ちなみに板垣退助は隈板内閣で閣僚とはなったが、総理大臣にはなっていない。
地元の絶対的英雄がなかなか登場しないのが龍馬だらけになる最大の要因なのだろう。
初日はマラソンの前日とあって、疲れることはしたくなかった。
そんなことを考えつつも、せっかく来たののだからと高知城のある高台に登り、ついでに高知市街を見下ろす筆山という山に登った。高知市街はなかなか1人で遊べるところが難しい。
あとはマラソンのイベントを少々見学。大会ゲストの稲村亜美が意外と大きいことに驚いたりした後はホテルでのんびりとした。