クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

大阪IRと依存症ビジネス

先週、「大阪IRを国が認定」という記事が出ていた。

IRと言えば株主との対話を示す"Investers Relationship"かと思ったら統合型複合施設"Integrated Resort"なんだそうだ。なんでも略語になってややこしい。

私のように安宿と自然があれば旅は十分という人間からすると、大型のリゾート施設なんかは「ホンマに儲かるんかいな」と言う点で疑問なのだが、多くの場合はIRにカジノがくっついてくる方が問題視される。

ふ~ん、カジノねぇ。

ギャンブルに興味のない私にとってカジノなんかはあってもなくても関係のない話だ。それが身近にギャンブル依存症という人間が出て、妙に他人事ではなくなったことがある。

その彼は若かりし頃からパチンコを嗜み、その後競馬にハマってえらいことになった。性格はいい奴なので、彼の人格云々ではなくおそらく仕事のストレスによるものだと思う。

とにかく依存症とはかくぞ恐ろしきものということを私も思い知ることとなった。

 

ただ、人間は何かしらに依存したい生き物だということだろう。

子煩悩というのもある意味で依存症のようなものだ。孫に入れ込んでしまって、見境なく買い与えてしまう祖父母なんかもそれに同類と言える。

これらをビジネスにしようとのが恐ろしいところだ。できるだけ冷静な判断能力を失う部分にたかりに行くのが依存症ビジネスの肝なのだろう。

考えてみれば「IRで経済活性化」というコンセプトそのものが冷静さを失った判断となっている可能性もある。そもそも日本でわざわざ博打をしたり、映画や劇を見たりしたいという人はいないんじゃないかと思う。

私のように山とか自然に「依存」している人間からすると、緑豊かな日本には面白いものがもっとあるように思えるのだ。

「あの時は経済活性化のためには何かに投資をしなければならないという依存症にかかっていた」と後から言われなければいいのだが。