クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

誰かと比べて落ち込んだのなら

先日、相方に「誰かと比べて落ち込んだことないでしょ?」と言われた。

言われてみれば落ち込むことはあっても、「周りと比べて自分はダメだなあ」などとは思わない。天上天下唯我独尊とまでいかないけど、自分が他の誰よりも劣っているとは思わない。

昔から上を見ればキリがないし、下を見てもキリがないと割り切っている。

「私なんか、母親から『○○ちゃんはできたのに』としょっちゅう言われた」

相方もその母親も一人っ子。兄弟がいれば比較される辛さを知るところだが、知らないがゆえにそんな言葉をかけてしまうのかもしれない。

もっとも私は三人兄弟だが、各々得意分野が違い過ぎて比較にならなかった。妹は理系で実務能力は高いが、文筆は苦手。弟は語学の天才だが運動神経ゼロ。

三人足せば最強にもなるし、最低にもなる。思えば比較にならないようにバラバラの方向を目指したのかもしれない。

 

まあ、私だって周りの友人知人と比べて悔しい思いをしたことはある。

ただ、他人から「俺ができるのに、なぜできない」とか言われても、心の中で「ウッセー、お前はこっちと同じくらい走れんのか」とか「そんな腹して山に登れんのか」とか思っている。

人間、万能ではない。「できること」と「できないこと」がある。「できなかったこと」が「できるようになる」のは楽しい。一方で、「できないこと」が「できるはずだ」というのは、ただの語り手の身勝手だ。わざわざ付き合う必要はないし、他人の期待値に合わせて生きようとするから辛くなるのだ。

人生の基準は全て自分である。自分が「できなかったこと」を「できる」楽しみを見つけつつ生きる方がよほど面白い人生を送れる。他人ができようと関係はない。

そんなことを思いつつ私は日々のヘマ、怠惰、失敗に蓋をして生きている。