今回、最大の難関は電車だったかもしれない。
テントにコンロ、焚き火台にのこぎり。ラグジュアリーにしようとヘリノックスの椅子まで持ってきた。自転車と合わせて総重量は20kgを軽く超え、電車のホームからホームの移動がとにかく辛い。
富士急行線の河口湖行きは外国人観光客でいっぱいで、まるでバンクーバーの電車並みに多様な人種で構成されている。鼻輪みたいなピアスをしてワイルドな髭を生やした白人の男が、日本酒「剣菱」のTシャツなんか着ていたり、駅のトーマスの写真を撮りまくる中国人がいたりとカオスの状況。
その中で大荷物ができるだけ邪魔にならないよう、小さくなるわれわれだった。
さて、富士山駅で下車して自転車を組み立て、ようやくひと息ついた。ひと息ついたら腹が減ったので、名物「吉田うどん」を駅ナカのフードコートで食べてから出発。
駅を出ると富士山がドーンと聳えている。
富士山駅から139号線を鳴沢方面に進むとと、富士急ハイランドを横目に直線道路はいわゆる富士の樹海の方に向かう。時折、木々が途切れるとまた富士山がドーンとお目見えしてついつい写真を撮ってしまう。
やや平地より高度が高いせいか、樹海近辺はかなり紅葉していて、わずかに赤がかった森を進み、下るとあっという間に本栖湖に着いた。
(つづく)