クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

井の頭公園へ花見ランニング

休日、土曜日は井の頭公園に花見がてら走って向かった。最近体力が落ちている気がするので、回復を図りつつの桜見物である。

井の頭公園の桜は最盛期を過ぎているようで、葉桜になっているところもちらほら見かけた。一方で人出の方は最盛期で、特設の簡易トイレや警察の出張テントまである。私が行ったのはちょうど12時くらいで、まだ花見客も乱れた感じはなく、おとなしくお弁当を食べている人が多かった。

10年以上前、アウトドア雑誌『BE-PAL』のコラムで桜を追いかけるおじさんが紹介されていた。

何かと言うと、桜前線を南から追いかけて旅をしながら、桜の写真をブログにアップするという人だ。定年退職後の趣味でやっているのではなく、仕事を辞めてやっているところが凄いところで、編集者の方が「大丈夫ですか?」と心配していた。

このおじさんに好きでもない仕事をさせるくらいなら、桜くらい追いかけさせてやろうよとも思うのだが、自分が同じことをする勇気はない。しかし、これだけ好きなことがあるのに、無理に仕事をする必要がどこにあるのだろう。一度きりなら好きなことを追求する人生もいいのではないか。

桜を見つめながら私の中にも微妙な葛藤が生まれたのは事実だった。

この日は朝は寒く、昼は曇りながらも少し暖かかった。

今年もそのコラムを思い出しながら、しんみりと私は桜を眺めた。