クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

山ヤあるあるの世界

相方がゲキ『元祖女子山マンガ でこぼこてっぺん』を買った。

今でも登山雑誌の老舗『山と渓谷』に連載されている10コマほどのマンガの単行本で、私が面白いと言ったらすぐにネットで見つけて買っていた。もう廃盤になっているらしく中古本でほぼ新品と同じ値段だった。

さて、この漫画だが、大半は「山ヤあるある」で占められている。

登山を続けていると、普通じゃないことが普通になっていくという典型的な内容で、一般人とのズレをそのうちズレと感じなくなるということを巧みに笑いにしている。

そんな「山ヤあるある」で私が気づいたものを紹介したい。

 

①「あと少し」、「すぐそこ」の感覚がおかしい

山では「頂上まであとどのくらい」と聞かれることがある。あるいは「あと少しだよ」と下山中の人が教えてくれることがある。

しかし、山での「あと少し」は要注意だ。

なぜなら「あと少し」と言われたら30分はかかると見た方がよいからで、下界で30分だと隣の駅に着いてしまう。「すぐそこでも」でも15分はかかると思った方がよい。

そもそも下山中の人は登りより速いので自分が下りてきたスピードで着けると勘違いしているケースもある。

 

②街を「下界」と呼ぶ

これもよく言われる話。山岳雑誌なんかで知った。

考えてみれば浄土信仰かファンタジーくらいでしか「下界」とは言わない。最近、転生モノの漫画や小説が増えているようだけど、「下界」という用語は使うだろうか。

 

③前日出発が当たり前になる

学生時代に前夜出発の日帰りスキーを何度かしたことがある。

夜11時頃に落ち合って、スキー場に早朝着き、仮眠2時間とかで始発のリフトに乗り、昼食も取らずにひたすら滑る。

こんなアホなことは学生くらいしかしないと思っていたら「山ヤ」はこれを普通にオッサン・オバサンになってもやるのである。

一度、山岳会所属の友人と山に行ったら、登山口にテントを張って仮眠するのだという。そんな「しきたり」もあるのかと驚いた記憶がある。

ちなみに私はそうとも知らず、寝袋もマットも持参しなかったので、一睡もできなかった。

 

そんなこんなの山ヤあるある。相方に借りて読むのが楽しみだ。