先日、相方の両親が上京し、夜食事をした。
ご両親とも大学は東京。私より都会人と言っていいだろう。ただ、お父さんの方は東京の有名大学を出て銀行員になるといういわゆる「エリート」にもかかわらず、なぜか謎の嘆き節を繰り出してくる。
突然「仕事で楽しかったことなんてほとんどないなっ」などと言う。それを笑いながら言うから、こちらとしてはリアクションに困ってしまう。
好きなこと、楽しいことを仕事にできればそれが一番いい。
しかし、その「好きなこと」も仕事になると楽しくなくなることは往々にしてある。先日、元近鉄バファローズの中村紀洋の話をを聞いていたら、結局成功しなかったメジャーへの挑戦で野球の楽しさを思い出したのだという。ただただ白球を追いかけて、バットを振る。
楽しいかどうかは成功したかどうかでないことを示している。
一方で成績で悩んだり、現役続行で悩んだりして、命を絶つ者もいる。
結局、好きと嫌いを行き来しながら、うまくやり繰りするのが、長く続けられるコツなのだろう。
私はというと、好きでもないことをなんとなくやっているうちに好きになっていることが多い。
最初は「嫌だなあ、苦手だなあ」とか考えているうちに、嫌いの感覚が麻痺してきて、「案外苦手でもなかったのかも」、「むしろ得意なのかも」と大いなる勘違いが巻き起こっていく。
その後、「やっぱ嫌いだ」ともなるのだけど、これも好きと嫌いの行き来の私なりのやり方なのだ。