クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

「バカの壁」と「アホの壁」

OJTリーダー研修とやらがある。

OJTとは"On the Job Traning"。仕事をしながらトレーニング。さしあたって訳せば仕事をしながらトレーニングをさせる人のトレーニング。

早口言葉みたいだ。

事前資料を見ると『バカの壁』がオススメとある。

 

養老孟司バカの壁』は2003年刊行だからもう17年前の書。

私も話題だったから読んだ気がするのだが、まったく内容を覚えていない。強いて言うなら固定概念を捨てよということか。

当時はインターネットの普及時期で、情報化社会、IT革命と言われていた。情報過多になった分、考え方が多様になるわけでなく、より頭でっかちの「バカ」ができるといった内容だった(気がする)。

 

「バカ」は「馬鹿」。

秦の趙高が鹿を連れてきて、「これは馬である」と申し立て「鹿でしょう」と主張した者を処刑したという故事によるとされる。

めちゃくちゃな話だが、小賢しいことをすることがバカということか。

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関西ではバカと言うと嫌われる。

アホとバカの分布については『全国アホ・バカ分布考』に詳しいが、私は生理的に「バカ!」と言われると血が上る気がする。文字通り「バカにされた」気がするのだ。

それならアホはどうだというと「アホやなあ」と言われても「アホは元からじゃい!」と開き直りが出てくる。元からの方が治りようがないから酷い気もするが、これは生理的な反応だから仕方ない。

www.shinchosha.co.jp

研修で最近の新入社員傾向というものがあった。

ワークライフバランス、向上心が高い、ガンバリズムはない。自分の時とあまり変わっていない気もする。

違いは、あまりに陳腐な話になるが、デジタルツールの使いこなし。情報処理能力が高い一方で、Google先生に何でも訊ねてしまう。

ある意味でアホになることが許されない世代なのかなと感じたりする。

「知らない」ことは恥ずかしい。知らなければググればいいじゃん。

しかし、本当は知らないことより消化不良の知識が増えることの方が問題だと私は思うのだが。消化不良で余計な偏見や知ったかぶりをする方が弊害が大きい。

しかし、世間ではこの「バカの壁」を乗り越えてアホの領域に行くのはなかなか難しいようだ。

 

知らないアホでもいい。知っているバカよりは。これが私のスタンスである。