クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

仕事中に死にそうになった話あれこれ

仕事で怪我をした元従業員が労災として会社を訴えたという話を聞いた。詳細は書かないけど、本人にとっても会社にとっても不幸な出来事と感じた次第。

わが身で考えると、入社1年目に車を凍結した路面でスリップさせたことがあった。

年始のある日、顧客対応で車を出した帰り道、路面がピカっと光った。何が起きたかと思ったときには車はコントロールを失っていた。ブレーキもハンドルも効かず、なすがままに滑って行く。

車は進行方向に90度の角度で進み、車道と歩道を隔てる縁石に前輪がゴンっと当たった。道が緩やかにカーブしていたのが幸いしたのだろう。車は縁石に軽く2度ほど当たったところで止まった。車も運転手も全くの無傷。

止まったところで車から降りた瞬間、腰が抜けそうになった。

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写真は無関係

あとガス爆発を起こして眉毛を焦がしたこともある。

新品のガス機器を試運転していて、「なかなか点火しないなあ」と覗き込んだ瞬間に滞留したガスに引火して爆発。

チリチリになった髪と眉毛を必死で隠したが、爆発音は聞かれていたらしい。後で「ガスは怖いけえのお」と言われた。

いずれにしてもほぼ無傷だったのでよかったなあと思う。

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これまた本文とは無関係

さる友人は工事現場のアルバイトで九死に一生を得る体験をしたという。

彼は学生時代に短期で夜間の地下鉄工事に携わっていた。ある夜、資材を持って歩いていたら、突然身体が宙に浮いた。

彼が「浮いた」と感じた時、実際には彼は落ちていた。本来しておかなくてはならないマンホールの蓋が外されたままになっており、そこから落ちたのだ。

マンホールの下ではコンクリートで塗り固められた鉄杭が天を突き上げていた。事故を一部始終見ていた他の作業員たちはなかなかマンホールに近づけない。

それはもちろん、マンホールの下に血まみれの死体がいることが想像できたからだ。

しかし、彼は生きていた。落ちる瞬間に誰かが足をつかんだように感じたという。彼の身体はマンホールの側面でひっかかり、鉄杭のわずか上で宙に浮いていた。

 

これら仕事の話は酒の場ならいいネタになる。

誰しもちょっとした冒険譚は話したいものだ。しかし、本当に死んでしまっては悲劇である。ましてや本当に自分のしたいことならともかく、生活のための仕事で死んでは死にきれないだろう。

しかし、人間いつかは死ぬ以上、仕事にしろ遊びにしろ、その最中に死ぬことがあることは覚悟しておかなくてはならない。