ここのところ経済の本を読むことが多い。
仕事や教養ということもあるが、単純に面白い。ただ、下手なホラーよりはるかに怖いこともある。
例えば年金。
2019年に「老後に2000万円必要」という報道がなされて大騒ぎになった。大騒ぎになった。大騒ぎになって、今は騒いでいない。あれは何だったんだと思う。
ただ、いろいろ読んでいくと、受給年齢は70歳に引き上げないともたないということがハッキリしてくる。詳細は割愛するけど「これから右肩上がりの経済成長が実現できれば大丈夫」というくらいのシミュレーションのもと、年金財政は破綻しないということになっているらしい。
こうなると2000万円どころか3000万円くらいは必要だし、仮に3000万円持っていても20年、30年後にその価値が担保されている保証もない。
あの時、野党が問うべきは「2000万円も必要なんて、どうかしている!」ということではなく、「2000万円あれば大丈夫なんですね?」ということだったのだ。
さて、こうなると盆栽いじりの呑気な老後というわけにはいかない。
何しろ日本の年金というのは勤労者が将来のために貯蓄するシステムではなく、勤労者が年金受給者を支えるシステムになっているのだ。国民年金開始時の掛金は月額150円だったというから、過去の掛金が今残っているわけがない。
では、どうするべきか。
一生働ける楽しい仕事を探すしかないのではないかと思ったりしている。ひところ親が子どもになってほしくない職業にユーチューバーを挙げることがあった。好きなことを職業にするというコンセプトも安易に聞こえたに違いない。
しかし、実際は親の方が好きなことを職業として一生やり続けなければならない時代になっている。