クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

実力と成功の確率

最近どうもついてないなあと思う。

2月にぶっ倒れ、3月もバタバタ忙しいまま終わりそうだ。忙しくて充実していればいいものの、何か全力で遊ぶほどの気力が満ちていない。

私の場合、数年に1度こういう状態に陥るのだが、まあ気長に運気上昇を待つしかない。

 

ジェフリー・S・ローゼンタール『それはあくまで偶然です』を読む。

「運」とか「奇跡」というものについて考察した本だ。たまたま会った人と誕生日が同じだったら人は縁と考える。ただ、40人のグループで1組でも同じ誕生日のペアが生まれる確率は、なんと90%を超えるという。

偶然と呼ばれるものの中には、かなり的の大きな偶然がある。つまり、奇跡のように思えても、実はかなりの割合で起きることが混じっているということが書かれている。

野村克也が「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」と喝破した。

人は心情として勝てば実力と思いたいし、負ければ運が悪かったと思いたい。この言葉はその甘えを戒めて反省を促す名言と言える。

しかしながら、物事はほとんどの場合、100%の必然性はない。明日の天気が晴れるかも、今週末桜が咲くかも、有名店のディナーが美味しいかも100%ということはなく、せいぜい確率が高いくらいのことしか言えないのだ。すなわち、どちらの方が確率が高いのかを適当に見積もることでわれわれは日々を暮らしている。

そう思うと負けたり失敗して実力がないと落ち込むのではなく、次は成功する確率を上げよう(失敗する確率を下げる努力をしよう)くらいに考えるのがいいのかもしれない。

何しろ明日生きている確率だって、われわれは正確に見積もれないのだ。