クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

2018-01-01から1年間の記事一覧

来週休みます

映画「釣りバカ日誌」で浜ちゃん役・西田敏行の台詞。 「俺はなぁ!実の兄貴を殺してまで来たんだぞ!」 忌引きを理由に釣りの誘いに駆けつけたわけだ。今有給休暇5日以上の取得を義務付けるという法案が提出されているが、休むを悪徳とみなすのが日本企業…

お葬式の思い出

結婚式について少し茶化した記事を書いたが、冠婚葬祭のしきたりはどれも不思議だったり滑稽だったりする。しかし、結婚式というおめでたいものを茶化すのは簡単だが、お葬式を玩具にするのには勇気がいる。何しろ人が死んでいるのだ。 ただ、少し思い出深か…

投稿マニア

高校時代に深夜ラジオを聴いていると、投稿の面白い番組が多かった。投稿は所謂「ハガキ職人」から送られてくるもので、あれだけの労作を毎週作り続ける情熱には大いに感心した。いくらウケても、もらえるのはステッカーくらいだから、毎週毎週いろいろな番…

ジムクライマー

今年は天候が不安定でなかなか山に行けない。雨の山行を楽しめるほどの登山者ではないので、週末はクライミングジムでお茶を濁している。 いつも利用するジムはどこの駅からも中途半端な位置にある。いつも最寄り駅から歩くが、丘を越えて40分かかり、通常な…

冷や水

男性が自分の年齢を初めて意識するのはアスリートたちが年下になった時らしい。ずいぶん前のアンケート結果だが、なるほど自分にも思い当たる。会社組織などでは新卒採用が少ない時期があったりで三十代でも若手と言われたりするが、アスリートならどの競技…

コンプライアンスの哲学

2泊3日で社内研修に行ってきた。 事前課題がいくつかあり、小論文とプレゼン資料を作成したのだが、こんな時のテーマは実用性のない抽象的なものと相場は決まっている。小論文のお題は「コンプライアンスの実践」だった。 企業はコンプライアンスとやたら…

無知と知

時事ネタがわからないと書いたが、人生の中で時々自分の無知を実感することがある。これは誰しもだろうが、誰もが知っている中での自分の無知は時にある種の劣等感になったりもする。 私が最初にこの劣等感に出会ったのは幼少時代のアメリカ滞在時やそこから…

人工知能は山に登らない

私は現在テレビもなく、新聞も購読していない。 先日、寄席で漫才を聞いたら時事ネタがよくわからなかった。さっぱりと言わずとも薄ぼんやりと霧がかかったような状態で、今一つ笑えない。例えば、加計学園とか森友学園とか名前は知っているが、詳しい経緯と…

引退

「早よ引退して仕事やめたいわ」 ファミレスで、ある友人がコーヒーを手にしながら呟いた。彼女の目下の趣味はマラソン。大会に備えて平日は会社から自宅まで走ると言うから恐れ入る。学生時代はソフトボールのピッチャーをやっていたというガッチリ体形で、…

生きる痛み

ある陽光の差す5月の日曜日、私は都心に向かう電車に乗り込んだ。春の日差しがガラスを通して車内の空気を暖め、私は思わず座席でうとうとし始めた。気が付くと列車は終点の新宿に近づいており、閑散としていた車内は人で溢れていた。みんな急に暖かくなっ…

羽化登仙

今年は台風の当たり年となっている。まるで技巧派ピッチャーの投球のように日本列島の周りを西へ東へかすめる。 小学校の時に「日本列島は夏の間、太平洋高気圧によって好天が多いが、高気圧の勢力が弱まる9・10月ごろになると台風が列島を通過するようにな…

結婚式考

「今月結婚式二つも入ってますよー」 後輩が嘆いていた。嘆くのは無論ご祝儀等の経費が嵩むからである。 「いやー、全然回収しないで払うばかりです」 結婚式なんて人生でそう何回もしないから、回収しても一回きりが一般的だ。当然トータルでは払いの方が多…

山道具考

「やれザックはミレーだ、ピッケルはシャルレだと道具だけにこだわるだけでなく、まずは身体と登山の技術を鍛錬することが肝要である」 おおよそこのようなことが実家の本棚に並ぶ40年ほど前の山岳雑誌に書かれていた。当時のヨーロッパ製の山道具は高嶺の花…

ドック

ドックといのは船舶のメンテナンス場である。英語では"dockyard"と言うらしい。長距離を航行する船は機関部の定期的なメンテナンスを行い、ドックに入って船底についた牡蠣殻などを除去しなくてはならない。司馬遼太郎『坂の上の雲』を読むと、1900年頃のロ…

山靴讃歌

9月のシルバーウィーク、4年ぶりに雲ノ平へ行った。荒天予報の中、1日目、2日目は奇跡的に晴れたが、3日目はついに雨に捕まり、靴をずぶ濡れにされた。8月、白馬へ行った際も雨にやられて、足元をぐしょぐしょにされ、山靴の防水性を疑ってはいたが、…

運のつき

9月某日、前々から気になっていた大月市の岩殿山に登った。 中央線に乗るたびに大月駅から見える屹立した岩山が気になっていた。ネットによると岩殿山にはかつて岩殿山城という城があり、小山田氏という豪族の居城であったという。新田次郎『武田信玄』を読…

ブロガー

ブログのアクセス数を増やすコツを検索してみた。それによっては我がブログもそれによる経営方針を大いに転換するかもしれない。そもそも誰も注目してないだろうが、勝手に自己分析を行って盛り上がってみよう。 1 テーマを絞る 本ブログはテーマなし。勝手…

三枚のお札

登山など少し遠出する時、みんなどれくらいの金額を持っていくのだろう。私の場合だいたい3万円くらいだ。帰りにタクシーや新幹線を使っても3万円あれば足りる。それ以上持つのは何となく落ち着かない。登山では濡れる可能性もあるし、歩行中はザックにし…

ノー・チューバー

我が家からテレビがなくなって10年になる。意味はないがめでたいことにする。 「テレビがない」と言うと原始人に会ったような顔をされることがあるが、全く不都合はない。「まあインターネットもあるしねー」と言われることもあるが、私の場合今だに家にネッ…

社内報写真家

社内報の表紙に時々写真を提供している。これはひとえに私の写真家としての腕を買われて名誉特派員の栄誉に浴している、というわけではなく、広報担当が適当な写真を持ち合わせていない時に無料の写真提供人として利用されているだけに過ぎない。 昨今は簡単…

幽霊

登山も長く続けると知らぬうちについていく癖がある。私の場合、歩き方が大きく変わった。足の裏を地面に擦ることがなく、足先の向きは真っ直ぐ前を向く。足を擦らないのは石ころを蹴ったりしないためで、足先が前を向くのはその方が効率が良いからだ。何も…

そうなんです

8月の終わりに久しぶりに沢登りをした。沢登りと言っても遡行が無理となれば林道や登山道に逃げるという最初から逃げ腰なもので、早く言ってしまえば水遊びに出かけただけだ。それでも沢では自分の行くルートを自分で決めるので、登山道だけの登山より緊張…

節約家

武道家、華道家、書道家、登山家と家が付く肩書きは数あるが、節約家というのはいかなる人だかよくわからない。しかしながら今もiPhoneの漢字変換で一発で出たので使う人はそれなりにいるらしい。 お金については本ブログでもいろいろ書き散らしたが、私にも…

タネと『第一阿房列車』

某新聞社の会社説明会で社員、つまり新聞記者がこのようなことを言っていたらしい。 「新聞記事はいい取材が全てなんです。美味しい牛肉はいろいろ味付けしなくても焼いてレモンと塩だけでも美味しく食べられます」 新聞という媒体は文字数が限られているし…

スマホないない記と『砂の女』

9月某日、某所に愛用のiPhone5s君を置き忘れてしまった。もう4年以上使っていて、電池の減りも早くなっており、充電させてもらっていてそのまま忘れてしまったのだ。電車に乗って、隣の女性がせわしなくスマホを操作するのを見て気づいた。 それまで文庫本…

クボタちゃん

その飲み会も主役は彼女だった。 ここでは仮にクボタちゃんとしておこう。24歳。背は150センチ少々と小柄だが、二重瞼の大きめの目に色白の肌、肩より少し下まで伸ばしたストレートの栗色の髪、やや幼い顔立ちで、いわゆるかわいい女の子を想像してもらえれ…

健康社会

電車に乗るとフィットネスジムやエステの広告ばかり目につく。酒もプリン体と糖質オフ。現代日本を「一億総◯◯」というならば、「一億総健康至上主義社会」とでも言おうか。企業などでも唐突に「健康経営」なんていうことを言いだすようになった。 誰しも病気…

『大貧帳』と『紙の月』

週末は北八ヶ岳へ行き、鈍行で帰ってきた。茅野から中央線で八王子まで乗ると大概2回は乗り換えがあって3時間くらいかかる。最後の方はお尻のほっぺが痛くなって難儀だ。 そんなに辛いなら、特急「あずさ」に乗ればよいのではないかという声が降ってきそう…

キタヤツに来た奴

双子池がいいと聞いて行ってきた。先週は白馬でずぶ濡れにされて敗退したので夏山行の追試といったところである。とは言っても目的は双子池でまったりすることなので山友からは「北八ヶ岳でリベンジ?」というコメントを頂戴した。単にまったりでは何なので…

今更のランナー

去年の6月に「いわて銀河チャレンジマラソン」の100kmの部に出た。今更の話ながら、出場するまでについて書きたい。なぜ今更かという理由は読めば出てくるかもしれないし、出てこないかもしれない。 なぜ100kmマラソンにエントリーしたかと言えば、ノリとし…