クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

2020-01-01から1年間の記事一覧

光の狂騒〜ブラックダイヤモンド スポット

黒部の話からどんどん逸れている。おまけに天気が安定せず、黒部に行くかどうかも逸れかかっている。 ただ、今度の旅にどのヘッドライトを持って行くか迷っているところなので、とりあえずヘッドライトの話を続けてしまう。 ペツルのミクロの次に買ったのは…

もっと光を!〜ペツル ミクロの光量

山行の前の準備をしていたら、ヘッドライトがポロリと出てきた。 このところあまり使っていなかったブラックダイヤモンドのスポット。単四電池3本で使えるLEDライトだ。 今はメインをモンベルの充電式ヘッドライトに譲っていてしばらく使っていなかった。電…

そうだ黒部行かなきゃ!

唐突だが、黒部に行こうと思っている。 「黒部」という地名だけで何というか、神秘と禍々しさが混在したような雰囲気が漂うのはなぜだろう。極楽浄土と地獄を表した立山信仰。黒部川の削りだした日の差さない渓谷。多くの人々が命を落とした黒部ダムの建設。…

山の武器(カトラリー)は箸に限る

山の特殊用語にはいろいろある。「キジ撃ち」なんかはその典型で、野糞を指すわけだが、一般登山道で野糞をすると怒られるので実際に使っているのを聞いたことがない。 そんなあまり使われない用語の一つに「武器」というのがある。カトラリー、つまり食事用…

マット安眠考

どうやら私は寝言がうるさいらしい。寝ているので本人はわからないのだが、うわごとを言ったり、縦横無尽に寝返りを打ったり忙しく動き回り、横にいる相方は眠れないのだという。迷惑をかけて申し訳ないのではあるものの、寝ているのだからどうしてよいのか…

今夜のおうちはステラリッジ・テント

まだまだ続いている北海道旅シリーズ。 楽しい時間を未だに引きずりつつ送るのが日常という感じだ。 北海道旅は計10日間、9泊したわけだが、テント5泊、ホテル4泊という割合だった。そんなわけなので、酒池肉林の豪奢な旅と見せつつ交通費を除くと1人5…

ナルゲンか?プラティパスか?それが問題だ

北海道旅で相方が利尻限定ナルゲンボトル(正確に発音すると"ナルジン"だが、"ナルゲン"と表現する)を手に入れた。利尻限定モデルは4色、ウニ色(オレンジ)・海色(ブルー)・昆布色(ダークグリーン)・利尻グリーンで、相方が手にしたのは海色。利尻好…

ガンガン使えるモンベル・バーサライト パック

登山をメインにした山旅と観光も兼ねた山・街旅ではおのずと持ち物が変わってくる。去年はカナダ・キャンモアとバンフに行き、今年は北海道をわりと長期で旅行したが、これは後者に該当する。 この時に最も活躍したのはモンベル・バーサライト・パック15だっ…

今さらのパタゴニア・トレントシェル

北海道10日間の長旅で活躍したモノ、ベスト3は 1 モンベル バーサライト・パック15・・・小型バックパック 2 SEA TO SUMMIT 防水袋 3 パタゴニア トレントシェル ジャケット・パンツ 連日といかずとも、雨が多かったので、雨対策グッズが役に立った。 基…

小樽と屋久島の飛び魚

人類の歴史は何かと言えば、ズバリ食の歴史である。人は死ぬまで食わなくてはならない。人類の歴史は戦争の歴史とも言えるが、戦争も食わねばできない。空腹では何もできないのだ。 それにしてもいろいろ食うのが日本人で、小樽の三角市場でもいろいろ珍しい…

北海道名山~羊蹄山

②羊蹄山 羊蹄山は深田久弥の『日本百名山』では後方羊蹄山(しりべしやま)と書かれている。てっきり「前方」があるのかと思ったら、前方と後方は区別するための呼称ではないようだ。 それはともかく利尻・礼文の後の好天を狙って、札幌で急遽地図を買ってか…

北海道名山~利尻山

北海道旅行の目的はグルメではなく登山だった。 いろいろ書いているうちに、ただの「美味いもの自慢」になってしまっているので、「本来」の目的である登山についても書いておきたい。 ①利尻山 最北の日本百名山で、深田久弥は「島全体が一つの頂点に引きし…

カエルの学校・リスの学校、井の頭公園

暑い週末に井の頭公園の動物園へ行った。 本館と分館である水生物館のセットで大人400円。2つ行けるのはお得な気もするが、暑くて暑くて歩き回ると汗だくになる。 本館では、暑いのでサルなんかはぐったりとしていてほとんど動きがない一方で、鳥類は表情(…

丼の中に入るもの〜北海道メシの恍惚 その4

先日、法事に出て最後にお経を上げたお坊さんがこんな話をした。 「仏教の漢字では井戸の「井」という字の真ん中に点を入れた字は、より清らかな水があるということを意味します。したがって、この字が入ったお名前(戒名)の方もおられます」 「丼」という…

海彦と山彦〜北海道メシの恍惚 その3 海の幸、山の幸

北海道に行く目的は当初、山登りだった。旭岳からトムラウシ縦走を企図したものの、天候不安定で断念。山に行くと食事がとにかく貧しくなるので、今度はメシの美味そうな海に近い山ということで利尻島を選んだ。 それもこれも海から獲れる美味いものを食べる…

憧憬のウニ〜北海道メシの恍惚 その2

世界には日本人しか食べないものが多い気がする。マグロや牛タン、マツタケ、イクラなんかは日本人がいなければ価格の大暴落が始まるだろう。一方でこれらの食品は日本人でなかったら知らぬまま一生を終えたかもしれない。幸せなことである。 今回も引き続き…

鮭の大地〜北海道メシの恍惚 その1

北海道の愉しみと言えば飯である。 登山と言えば信州で海がない。海がなければ山の幸と行きたいところだが、なかなかどうして日本において食は海である。松坂牛もジンギスカンもウニとアワビには一歩譲らざらるを得ない。『魏志倭人伝』に記されたように、倭…

愛とロマンの果て~礼文・愛とロマンのコース③

礼文島の夏は緑に覆われた美しい島である。 集落やバス道路は東の海岸に集中している一方で、西側には手つかずの自然が残っていて、愛とロマンのコースはこの西側を南北に縦断するようにルートが取られている。 私たちは西上泊の海岸から少し丘に上がり、し…

霧の先の景色~礼文・愛とロマンのコース②

愛はLOVEの訳語である。したがって、明治以前の日本人にはない概念だといえる。このコースの名付け親はどのような考えによって付けたのだろうか。気になるところである。 スコトン岬から岬めぐりというコースがあり、ここは晴れればお花畑になる風光明媚なと…

愛はあるか?ロマンはあるか?〜礼文・愛とロマンのコース①

登山道には時折変わったキャッチコピーを持つものがある。代表は剱岳・早月尾根で、「試練と憧れ」という石碑が登山口である馬場島にある。その他、私の好きな甲斐駒ヶ岳・黒戸尾根は深田久弥が「日本アルプスで一番つらい登り」と評していて、元来登山コー…

ドランゴ TRKの防水が少し甘い件

北海道をやや長期で旅行した。 本州と違って梅雨もなくカラッとした爽やか気候で、と行きたかったところだが、梅雨前線の残党なのか、天気が安定せず、雨が多い日が続いた。雨を避けてトレッキングや登山に勤しんだものの、登山道は当然びちゃびちゃで、どろ…

貧乏旅の醍醐味

9泊10日の旅をした。 こう言うと、 「なんて経済的余裕があるんでしょう、このコロナ禍に」 となるわけだが、2名で20万円くらいである。なにしろ行き先は北海道で交通費が半分以上を占めたはずだから、近場ならとんでもなく安上がりだっただろう。 そんな貧…

沢で死にそうになった話~奥多摩・水根沢~

1年ぶりに沢登りへ行った。行ったのは奥多摩・水根沢で、都内からアクセスが良く、付近に無料駐車場があるので人気の沢である。 結果を先に書くと敗退となった。水が多いのと、一緒に行った相方に岩登りのスキルがないのであきらめて下降に切り替えたのだっ…

兵用ゆべし 酒飲むべし

もう4ヶ月以上も山に行っていない。休日はランニング、しかも時折雨に濡れての快適とは言いかねるランをして来るべき山行に備えている。自然、愉しみは食ということになる。夜の外食も気が引けるので少し美味い肴を用意して、酒を嗜むくらいしかないのだ。 …

タフでなければ~映画「シェーン」~

雨が続いて大変である。 まず、洗濯物が乾かない。そして遊びに行けない。仕事だけをしていると生きている意味とか、自分の存在意義とか、人生とかが頭をよぎって精神衛生上よろしくないし、身体も弱ってしまう。 仕方がないので再び映画でも見ようとなり、T…

昭和へ行こう!

江戸たてもの園に行った。小金井公園の一部にある古い建物を集めた屋外展示場で、中には茅葺の民家から田園調布の洋館まで家屋を集めたエリアと店屋を並べて街並みを再現したエリアがある。施設名称は「江戸」と冠を付けているものの、多くは昭和のものが中…

プライベートな闘いへ〜映画「プライベート・ライアン」〜

そろそろ映画ネタも尽きてきた。 というか週末に映画を見る時間すら尽きて、もう1ヶ月近く休んでいない。社畜なんて冗談で言っていたら、これは本物になってしまった。 早く山か川に行かないと人間でなくなりそうだ。 プライベート・ライアン (字幕版) 発売…

エラい人探し~映画"CATCH ME IF YOU CAN"~

新入社員のころ蕨市のフィリピン・パブに行ったことがある。 確か歓迎会だか何だかだった気がするのだが、よく覚えていない。浦和あたりで飲んだ後、二次会に行こうという話になって行ったのがそのフィリピン・パブで、中は陽気な笑い声と安っぽい香水の匂い…

生きるために食べるのか~映画「いのちの食べかた」~

ここのところ帰宅が夜の11時を過ぎる。この時間になるとのんびり食事をとる余裕もなくて、牛乳でも飲んでバタリと寝てしまい、あまり身体よくない。運動もほとんどしていないので、何だか家畜になったような心地がする。 いやこれが本当の「社畜」というやつ…

なぜ山に登るのか~映画「岳」~

ほろ苦い思い出がある。 10年前、先輩の女性社員から大学時代の「友人」という人を紹介された。紹介してくれた先輩が165cmくらいの大柄なのに対して160cm弱の小柄な女性で、山が好きということだった。山好きならば山の映画でも見ようかと誘ったのが、この映…