クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

旅行

北海道の回転寿司の実力~北海道を巡る食旅⑥

北海道の実力で未だ試せてないものがある。「寿司」である。 寿司、まあ標準的にイメージするのは江戸前寿司で、酢飯に生の刺身を載せたもの。もともとは気の短い江戸っ子がそのままネタを載せただけのものを食べてしまったのが始まりで、本来の寿司は発酵食…

ニシンとハッカクの味~北海道を巡る食旅⑤

北海道には鰊御殿というものがあるらしい。もともとは積丹の方にあり、現在は小樽に移築されているそうだ。明治、大正とニシンの豊漁によって財を成し、それによって北海道に立派な家を建てた人々は多いという。ニシンは食うだけでなく肥料にしたという。 知…

網走監獄の味〜北海道を巡る食旅③

ウトロの知床丼について書いたけど、一つ遡って網走の話。 網走と言えば何か。相方に言わせれば寅さんなんだそうだが、私にとっては網走監獄である。最北の寂しげな景色、冬の凍える寒さ。過酷な環境で次々倒れる囚人たちという画が思い浮かぶ。 実際はどう…

北見は焼肉の街〜北海道を巡る食旅①

休み明けに出社すると 「ずいぶん長い休みだったけど、どこか行ってきたの?」 と訊かれる。今年はコロナでどこも行っていないという人がどうも多いようでなんとも返事に困るのだが、嘘を言っても仕方がないので「北海道に」とだけ簡単に答えている。すると…

最高のキャンプ場はどこだろう?~北海道を巡る冒険

今回の北海道旅ではテントで6泊した。 内訳は旭岳、網走・呼人浦、ウトロ・国設知床野営場、硫黄山第一火口、羅臼平、羅臼・国設羅臼野営場。学生時代に小樽から知床までを自転車で行った時もメインはテント泊。昨年も北海道ではテントで5泊した。 北海道…

硫黄山からの知床縦走④ 羅臼岳へと羅臼までの下山〜北海道を巡る冒険

羅臼岳は百名山の1つである。百名山ともなれば全国から山好きが押し寄せるものと相場は決まっていて、やはりたくさんの登山者が行き来していた。一般ルートは宇登呂の先、岩尾別温泉からの日帰り往復だという。 羅臼岳は海から登り詰めるため、1600mの頂上…

硫黄山からの知床縦走③ 第一火口から羅臼平まで〜北海道を巡る冒険

硫黄山登山口から登った初日、予想外の道に手こずり第一火口の幕営地までしか行けなかった。地図を確認すると2日目は羅臼まで12時間以上かかることになる。朝4:30に幕営地を出ることにした。 天気は晴れ。しかし、知床は海に挟まれた半島であり、予断はなら…

硫黄山からの知床縦走② 知円別岳のルート迷い〜北海道を巡る冒険

硫黄山登山道は藪の覆われた道を進み、涸れ沢を詰め、稜線に出るルートとなっている。ようやく稜線に出ると緑と白い斜面の山が見えてきた。硫黄山は硫黄が噴出することから名づけられたとおり火山である。知床と一口に行っても北部の硫黄山付近は火山岩と砂…

硫黄山からの知床縦走①〜北海道を巡る冒険

北海道の登山旅。とりあえず大雪山から下山し、北見、網走に滞在したわれわれは観光しつつ悪天候をやり過ごし知床に向かった。 知床は憧憬の地である。大学時代、自転車で小樽から知床を目指した。ちょうど世界遺産になったばかりの知床はごった返していて、…

灼熱大雪山を縦走してみる①〜北海道を巡る冒険

夏休み2021。東京五輪の女子マラソンが札幌で行われている、その日に旭川空港に降り立った。天気予報は台風が来たり低気圧の影響があったり微妙に揺れ動いた。休み前の数日間は連日計画を変更し続けた結果、当初の大雪山からトムラウシまでの大縦走を諦め、…

北海道を巡る冒険-序 2021年大人の夏休み

今年も北海道へ行こうと思う。 去年はかなり発作的に行ったが、今年はやや予約が取りにくかったので5月くらいには予約した。コロナ、コロナの時期にとは言われそうだが、ゴールデンウイークも遊んでいないのでお許しいただきたい。 今年は北海道の東を攻め…

憧れのホテルライフは満喫できるか

久方ぶりにホテルに泊まった。 泊ったのは普通のビジネスホテルで、シングルルーム禁煙。しかも仕事の事情。翌日も早朝から仕事なのだ。 ただ、時々家の外で寝るのも悪くはない。シャワーを浴びたら、パンツ一丁になり、いつもより大きいベッドでとりあえず…

スローな旅、スローな人生への憧れ

昔、北海道で聞いた話。 「北海道に初めて来る人は車で旅行するんだよ。それで次はバイクになって、その次は自転車。最後は徒歩になる」 当時、自転車で旅行していた私はホンマかいなと思った。徒歩だと北海道はあまりに広い。1ヶ月あっても足りない。 しか…

玉川上水を遡ってみた~立川から福生

川を遡ることを遡行と言う。 これは沢登りをやる人なら基本用語なのだが、考えてみれば一般用語ではない。鯉のぼりじゃあるまいし。 それでも山があれば登り、川があれば遡るのが山屋であり、沢屋なのである。 川ではないのだけど、ふと玉川上水を遡りたくな…

関東で一番ダサい県は?

会社の後輩が家の購入を考えているという。 埼玉県出身なので、買うなら埼玉県内。ただ、大宮より南は地価が高く、北は安い。広くていい家が売りに出ていたが、大宮より北で都心まで少し遠く、駅までも遠いのでどうしようかと思案しているらしい。 池袋演芸…

行ったことのない都道府県、行っていない理由

旅行が好きだ。時に理由はなく、「そぞろ神」に憑かれてふらりと出かけたくなる。 旅行ばかり行くと金がかかるイメージがあるかもしれないが、私は単に移動が好きなので、金はかからない方がいい。なんなら徒歩も結構好きだ。 そのくせ、日本地図を眺めると…

貧乏旅行のススメ

卒業シーズンである。駅で朝帰りと見られる学生たちがいた。 「コロナの時期に」 と眉をひそめる人もいるかもしれないが、大目に見よう。彼らには二度と来ない卒業なのだから。 学生時代の最大の思いではやはり旅行ということになる。自転車と青春18きっぷで…

南の食の探訪~屋久島放浪記④

旅と言えばグルメという人がいる。グルメとか美食とか言うと、どうも安直な享楽主義のようで嫌なのだが、我々も食い意地は張っているのでできれば美味いものを食べたい。山中3日で、アルファ米やソフトクッキー、歌舞伎揚げをボリボリやっているだけなので…

緑と雨の彷徨~屋久島放浪記③

屋久島の森は「もののけ姫の森」などと言われることがある。なるほど「もののけ姫」に登場した精密な緑の描写は屋久島と言えば頷ける。 しかし、まあ映画を見るとずいぶん穏やかな気候だ。雨なんか全然降らない。 実際の屋久島は「月に35日雨が降る」の言葉…

雨の森、雪の森〜屋久島放浪記②

屋久島では月に35日雨が降るという。 これがフィクションであることは小学生でもわかるが、実際に行ってみると嘘でもないように思える。雨の回数がとにかく多い。降ったと思えば止み、止んだと思ったら降る。 今回は、というか今回も、雨に翻弄されることに…

屋久島の杉さん〜屋久島放浪記①

屋久島に行った。緊急事態宣言とかいろいろあるけど、まあ休みが取れるのが緊急事態みたいなものだからまあいいかと。 今回は4年前に行った屋久島再訪。4年前は楠川集落から徒歩で入山し、宮之浦岳へ。縦走して淀川登山口に下山した。 今回はその逆を行く…

地元民のお勧めする鎌倉スポット

鎌倉に居を構えた友人夫婦の案内で初めて鎌倉を堪能した。 別に鎌倉に行ったのが初めてということはないが、これまでの私の鎌倉散策と言えば、 1.朝比奈の切通しより鎌倉に侵入 2.鎌倉宮から山中に入る 3.建長寺の裏から車道に戻り、そのまま横浜まで…

ナチュラルな生き方になるには

鎌倉に住む女性の友人宅に行った。 山の友人が結婚したお祝いに炊飯土鍋を持って馳せ参じたのだが、山ヤ同士のカップルということで、アウトドア派の夫婦同士で非常に楽しかった。 この二人は男44歳と女38歳、と年をバラしてしまうけど、いい大人ではあるも…

「住み続けたい都道府県ランキング」の下位三県に住んでみたい

都内の真ん中と言える日本橋あたりをぶらり歩いた。 とはいえ、ただ書類を持ち運ぶお使いなので優雅にお茶したりわけでも、取引先に持参する菓子折りを三越で買ったわけではない。 初めて都心を歩いた時の田舎っぺ丸出しの感動はもはやない。 先月、思い付き…

都道府県別ご当地グルメの選び方

最近、航空会社の株主優待が手に入ったので、旅行に行きたくて仕方がない。8月に北海道に行ったし、冬に南に行くかな。屋久島か奄美大島もいいなとか考えている。旅行先で重要なのは、遊べる自然があるか、メシは美味いかで、最近は出来る限りメシの美味い…

「都道府県魅力度ランキング」の下位三県の魅力について考える

「都道府県魅力度ランキング」というものがあるらしい。ギネスブック然りこういうくだらないランキングは大変面白い。 楽しいのは上位ではなく下位で、2020年は下から 47位 栃木県 46位 徳島県 45位 佐賀県 なんだそうだ。 言われて納得なんて失礼で言えない…

残念な駅弁〜八ヶ岳たまごサンド

今回の北八ヶ岳山行は昼頃下山となった。渋の湯から10時30分のバスに乗り、11時30分ごろには茅野駅。特急券を買い、11時39分のあずさ号に乗って東京へ帰る。 帰る時がなにより名残惜しい。名残を惜しむべくたまに食べるのが駅弁。「名物に美味いものなし」と…

小樽と屋久島の飛び魚

人類の歴史は何かと言えば、ズバリ食の歴史である。人は死ぬまで食わなくてはならない。人類の歴史は戦争の歴史とも言えるが、戦争も食わねばできない。空腹では何もできないのだ。 それにしてもいろいろ食うのが日本人で、小樽の三角市場でもいろいろ珍しい…

カエルの学校・リスの学校、井の頭公園

暑い週末に井の頭公園の動物園へ行った。 本館と分館である水生物館のセットで大人400円。2つ行けるのはお得な気もするが、暑くて暑くて歩き回ると汗だくになる。 本館では、暑いのでサルなんかはぐったりとしていてほとんど動きがない一方で、鳥類は表情(…

丼の中に入るもの〜北海道メシの恍惚 その4

先日、法事に出て最後にお経を上げたお坊さんがこんな話をした。 「仏教の漢字では井戸の「井」という字の真ん中に点を入れた字は、より清らかな水があるということを意味します。したがって、この字が入ったお名前(戒名)の方もおられます」 「丼」という…