クモノカタチ

山から街から、雲のように思いつくままを綴ります

登山

登山でリスクリテラシーは磨かれる?

勝間和代『会社に人生を預けるな~リスク・リテラシーを磨く』を読んだ。 もう10年も経った本だし、特に目から鱗がポロポロということはない。ただ、勝間和代という人が何を書いているのか知りたかったので読んでみた。 読むとサブタイトルにあるとおり「リ…

登山入門講座⑤〜遭難事故の防ぎ方

「なぜ登山なんてするの?」と訊かれることがある。確かに説明しにくい。 「あなたにとって登山とは何ですか?」などという哲学的なことを訊かれたこともある。そんなことを訊かれても困るのである。 意地悪な答えとして「山に行って遭難せずに帰ることです…

山男・山女の元気の源は...

休日出勤をすると空がやけに青く見える。 天気がいいのに出かけられずとにかく悔しい。そんな時は次の休みや長期休暇になにをするかを考えて心を慰めている。 これは以前ブルーインパルスが飛んでいたのを撮ったもの 「なぜ山に登るのか?」 これはジョージ…

登山筋とランニング筋の違いは?

秋晴れの週末はランニングに勤しんだ。来年2月に大会が控えているので、走る身体を作らなくてはならない。 家を飛び出し、20kmくらい走ることにした。ここのところ雲取山から奥多摩駅までの石尾根縦走とか北岳の草すべり駆け上がりとかやっているので体力的…

個人的な登山トラブル三選

先日の北岳では少々準備が足りなかった。こういう時は何かしらトラブルが起きる。 まずテントポールのゴム紐が伸びていた。ガスストーブの調子がおかしかった。下山時に靴擦れした。 天候が良かったので特に大ごとにならなかったが、悪いときはどれも致命的…

初冬の北岳に登る③~夕焼けと朝焼け

テント泊ではトラブルが続出したものの、天気がいいのが幸いした。 1日目「わあ、きれい!」と声がしたのでテントから這い出してみると目の前の鳳凰三山が赤く染まっている。小屋の前まででると夕日が仙丈ヶ岳の脇からさらに向こうの山並みに落ちようとして…

初冬の北岳に登る②~初冬のテント泊トラブル

肩の小屋で受付をした。1人1000円で以前の倍。コロナの影響で北アルプスでは2000円、南アルプスでは1000円が相場となっている。「諸色高直(しょしきこうじき)にて渡し賃は倍とせよ」という桂米朝の「地獄百景亡者の戯れ」に出てくる閻魔のお触れを思い出…

初冬の北岳に登る①~広河原から北岳肩の小屋

週末、天気が良かったので北岳に登りに行った。 昨年の同じ時期、谷川岳の馬蹄型縦走をやったら、晴れ予報の中で雨は降るし、足元は雪だしでとんでもない目に遭った。 今回はそんなことにならないことを祈って甲府駅から広河原行きのバスに乗る。 北岳は日本…

初秋の石尾根縦走〜鴨沢、雲取山、鷹ノ巣山、奥多摩駅

台風一過の週末にどこか走りたくなって、前から気になっていた石尾根縦走に出かけた。 気になる理由は大したことではなくて、角幡唯介さんが千日回峰行の真似事をする前に奥多摩駅から雲取山の日帰り登山をしたということから。これでは何のことやらわからな…

青年小屋でテント泊まったり②

青年小屋で昼寝をしたわれわれは5時くらいに起きだし、再び夕食の支度を始めた。まったりである。 準備をしながら隣のオジサンとおしゃべりをする。オジサンは京都から来たらしい。仕事は営業。梱包材を作っているメーカーにいるという。異業種、他エリアの…

青年小屋でテント泊まったり①

台風一過の休日に八ヶ岳・権現岳に行ってきた。当初からの予定変更だったが、今はどのテント場も予約制を取っており、飛び込みではなかなか行けるところがない。八ヶ岳ではバスが通っていない観音平から3時間ほどの青年小屋は予約なしで行けるテント場だっ…

テントの中で何をする?

夏休みが終わり、北海道から戻ってからぼんやりしている。本来の怠け病なのか北海道の後遺症なのかわからない。 北海道ではテント泊を6泊した。そう人に言うと「過酷な旅で」と言われることもあるが、慣れてしまえばホテルよりよほど楽である。四畳半くらい…

北海道での山中泊事情~北海道を巡る冒険

北海道から帰ってきて吉村昭『羆嵐』を読んだらすっかり熊恐怖症になってしまった。 『羆嵐』は大正時代に起きた日本最大の獣害事件で、2日間で6名の村人が殺害されたという事件である。「遠目にヒグマを見たいなぁ」などと考えていたが、読んでいると熊が…

硫黄山からの知床縦走④ 羅臼岳へと羅臼までの下山〜北海道を巡る冒険

羅臼岳は百名山の1つである。百名山ともなれば全国から山好きが押し寄せるものと相場は決まっていて、やはりたくさんの登山者が行き来していた。一般ルートは宇登呂の先、岩尾別温泉からの日帰り往復だという。 羅臼岳は海から登り詰めるため、1600mの頂上…

硫黄山からの知床縦走③ 第一火口から羅臼平まで〜北海道を巡る冒険

硫黄山登山口から登った初日、予想外の道に手こずり第一火口の幕営地までしか行けなかった。地図を確認すると2日目は羅臼まで12時間以上かかることになる。朝4:30に幕営地を出ることにした。 天気は晴れ。しかし、知床は海に挟まれた半島であり、予断はなら…

硫黄山からの知床縦走② 知円別岳のルート迷い〜北海道を巡る冒険

硫黄山登山道は藪の覆われた道を進み、涸れ沢を詰め、稜線に出るルートとなっている。ようやく稜線に出ると緑と白い斜面の山が見えてきた。硫黄山は硫黄が噴出することから名づけられたとおり火山である。知床と一口に行っても北部の硫黄山付近は火山岩と砂…

硫黄山からの知床縦走①〜北海道を巡る冒険

北海道の登山旅。とりあえず大雪山から下山し、北見、網走に滞在したわれわれは観光しつつ悪天候をやり過ごし知床に向かった。 知床は憧憬の地である。大学時代、自転車で小樽から知床を目指した。ちょうど世界遺産になったばかりの知床はごった返していて、…

灼熱大雪山を縦走してみる①〜北海道を巡る冒険

夏休み2021。東京五輪の女子マラソンが札幌で行われている、その日に旭川空港に降り立った。天気予報は台風が来たり低気圧の影響があったり微妙に揺れ動いた。休み前の数日間は連日計画を変更し続けた結果、当初の大雪山からトムラウシまでの大縦走を諦め、…

北海道を巡る冒険-序 2021年大人の夏休み

今年も北海道へ行こうと思う。 去年はかなり発作的に行ったが、今年はやや予約が取りにくかったので5月くらいには予約した。コロナ、コロナの時期にとは言われそうだが、ゴールデンウイークも遊んでいないのでお許しいただきたい。 今年は北海道の東を攻め…

ブロッケンを見たことありますか?

奥穂高岳登山は絶景とはいかなかった。天気予報はそれなりによかったのだが、2日目の頂上付近はずっと曇っていて、最後まで晴れることはなかったのは残念。 その代わりに見たのがブロッケン現象で、初めての相方は興奮していた。私は何度か見ているので淡々…

夏の奥穂高岳登山②~穂高岳山荘から奥穂高岳へ

穂高岳山荘は奥穂高岳と涸沢岳の間の少し落ち込んだ部分にある。標高は3000m弱ということで日本で1番ではないが、最も高いところに位置する山小屋の一つである。 高い分、天候の変化も受けやすく、雨も風も受けやすい。ただ、この日到着した時点では雲は増…

夏の奥穂高岳登山①~ザイテングラートから穂高岳山荘へ

四連休の後半にふと奥穂高岳に行ってきた。初日を出勤したので四連休ではなく実際は三連休だったのだが、それはさておき後半の天気が良さそうだったので、金曜の夜新宿発、上高地行きを予約した。 上高地は5:20着。バスターミナル前でおにぎりをモリモリ食べ…

奥多摩駅から武蔵五日市駅へ〜御岳山トレーニング縦走

梅雨明けしたので運動不足解消に山へ行った。 この夏遊ぶために山道具の準備を続けているわけだが、まずは身体の準備が大切。真剣に遊ぶには事前の段取りが大切なのだ。 去年は梅雨明け一発目に沢へ出かけたら溺れ死にそうになるという目に遭った。慣らし運…

ビールのおいしいシチュエーションについて

緊急事態宣言、蔓延防止措置。去年はひたすらに自粛ムードだったのが、1年を経て耐えられなくなったのだろう。今日も電車は満員だった。 今年のコロナ対策はひたすら飲酒に向かった感がある。コロナに対する人々の恐怖心が薄れ、官の言うことを聞かなくなっ…

いくつから中年になるのだろう?

ここのところ月曜日は身体が重い。 なぜかと考えるに、平日は忙しいので日曜日にトレーニングでもしようとする。走りまくり、懸垂したり、腕立てしたりする。ついでに本も読みたいし、山道具も見に行きたいしと予定を詰め込む。結果疲れる。 おとなしく家で…

結婚と冒険と登山と

図書館がずっと休館になっている。 緊急事態宣言となるたびに休館になるので、さすがにどうかという話になったのか、予約すれば貸出だけしてくれるようになった。開館していてもそれほど混むところではないので、不思議な対応であるが、ありがたい話ではある…

山ヤの死と43歳

先日、長谷川恒夫に関する映像を見た。 言わずと知れた登山家と言いたいところだが、故人なので知らない人も多くなるだろう。私も知らない世代だ。 1947年生まれ。谷川岳などで初登攀をした後、マッターホルン・アイガー・グランドジョラスのアルプス三大北…

山頂ののんびりご飯

この前に遭難の話を山梨の百蔵山・扇山登山ではのんびりした。 その前の白毛門登山では、始発で家を出てマッハで乗り換え、マッハで土合駅を駆け上がり、マッハで登山道に入って、下山もマッハ。登山口から駅までは走った。 今回はゆっくりしたいと相方から…

ゴールデンウイーク遭難について考える

共同通信ニュースで「山岳遭難相次ぐ」と出ていた。 ゴールデンウイークに槍ヶ岳と谷川岳で遭難事故があったらしい。槍ヶ岳の方は3人全員となっていた。かなり不安定な天候だったので、天気が急に変わったのだろう。 毎年、ゴールデンウイーク山行は遭難シ…

富士山を眺める山へ〜百蔵山・扇山登山

百蔵山と扇山へ行ってきた。 いずれも山梨県の1000mほどの山で、百蔵山は大月市、扇山は大月市と上野原市の境に位置している。特長のない低山と言えば大変失礼だが、特に険しいところもないあたりが、人気の山である。 この何とはない山が人気なのは富士山の…